Tom-H@ck “Poly Evolver Keyboard” custom
アニメやCM、ゲーム音楽その他幅広い分野で作曲・編曲を手がける日本人アーティストTom-H@ckさんからPoly Evolver keyboardとMPC3000のカスタム依頼を頂きました。
ご自身のスタジオの雰囲気に合わせてどちらもブラックを基調とした高級感のある仕上がりをご希望との事で、暗めのクローム系でまとめた落ち着いた感じのデザインで決定。
併せてキーボードは白鍵と黒鍵のカラーを反転というオーダー。
今回ここまで大きい物は初めて、そもそも良く考えたら鍵盤系は初めてだったので見積りに一苦労・・・・
クローム系の塗装はあんまりトライした事が無かったけど、ちょっと凝った質感にしたかったので、安い時に買っといたメッキ塗料を使ってみる事に。(それでも300mlで¥15,000ぐらい)
本来であればブラックをゴミ一つ無く吹いた後にこの塗料を薄く重ねていく事で、実際のメッキに近い鏡のような仕上がりになる物を、塗り重ね回数を最低限に抑える事で下地のブラックとメッキの具合が半々ぐらいになって、黒い鏡みたいな感じに留めるという微妙な仕上げ。
見る角度によっては真っ黒、微妙な光の変化で鏡っぽく見えるのでかなりシブイ感じに。
物が大きいというのも勿論ですが、この微妙な仕上がりにする為に何度もやり直しの連続。
塗料が微粒子の為ちょっとした静電気でもメッキ具合にムラが出るので、通常の塗装前に行う脱脂(シリコンオフ&タッククロス等)はNG。
何とか合格点の所まで漕ぎ着けるも、鍵盤の方でもまた一苦労。
素材自体は樹脂だけど重りが入っている為、一個一個が結構重い。
ある程度まとめて作業をする為に竿のような物に取り付けるんだけど、重さで外れてしまったり。
その他様々な想定外のトラブルに見舞われ、最終的に予定の納期の倍の時間を費やして納品。
思い返しても反省ばかり・・・・・・・
でもやっぱりインパクトはこれまでで一番。スタジオでの写真もお送り頂き、何とかご希望には添えられたかと一安心。
Dave Smithに見せてあげたい。
MPC3000の方もかなりシブイ仕上がりに。
ウッドパネルを採用、あえてそれを黒く染めて本体とマッチするように仕上げました。
ボタン類も初めてラップ塗装にトライしてみて、なかなか面白い質感が出せたかと。
他にはいつものバックライト交換や内部カードドライブ取り付け、ボタン類の交換等のメンテナンスを施し納品。
その後下部パネルも塗装して欲しいとの事で、追加で下部パネルの塗装。
これが案外初めてだったのですが、やっぱりここまでやると統一感が全然違いますね。
ご本人のBlogも是非ご覧頂ければと思います。
様々な分野でご活動されているので、今後この機材達がどう活躍していくか楽しみです。
他の写真もfilickrにupしておりますので是非ご覧下さい。
http://www.flickr.com/photos/ghostinmpc/sets/72157634380760847/
http://www.flickr.com/photos/ghostinmpc/sets/72157633590089693/
poly evolverの方は操作パネルが最初艶消しブラックでしたが、こちらは最終的に鍵盤と同じ艶有りで仕上げました。艶消しもナイスでしたが結果的によりまとまりのある感じになりました。
色々ございましたが、辛抱強く待って頂いたTom-H@ckさんに感謝。
今後も鍵盤系のカスタムもお引き受けいたしますので、是非ご検討頂ければ幸いです。(お問い合わせはコチラから)
宜しくお願いいたします!