MPC3000リペアー
定期的に修理&メンテナンスのご依頼を頂くMPC3000、主な作業内容につきまして。
まずは効きの悪くなったボタン類、こちらは内部タクトスイッチ交換での対応となります。タクトスイッチには押した時の固さが数種類ありますが、通常はオリジナルと同じ物を使用します。もっとソフトな押し心地の物もあるのですが、寿命の面で劣ってしまうので使用しません。
部分的にパッドが効かない、反応が悪い等の場合は内部パッドセンサー交換を行います。AKAIからのパーツ供給は終了していますが、海外経由で代替品を入手し使用します。若干オリジナルのパッドセンサーに比べるとベロシティーの反応が違い、割とソフトに叩いてもMAXベロシティーまで出ます(逆に言うと弱いベロシティーが出し辛い)。どちらかと言えば反応が良い方が最近は求められているようなので、特に問題は感じていません。そもそも打ち込むときはFULL LEVELにしている方が多いのではないでしょうか?
次に多いのがバックライト切れですが、バックライトのELシート自体に寿命が来ている場合とインバーターに寿命が来ている場合があります。どちらも同じくらいの確率ですが、インバーター交換も問題無く可能です。バックライトのカラーも白、グリーン、ブルー等があります。
電源部分の不具合も時々見られます。MPC2000以降のスイッチング電源と違い、この機種は熱を持つ為(その代わり電源の質はスイッチング方式より良い)に電源基板のハンダが熱により膨張・収縮を繰り返し、最終的にヒビが入り動作不良を起こします。暫く起動しているといきなり電源が切れる、動作がおかしくなる等の症状はまずこの原因が考えられます。
他には稀な例ですがSCSI基板上のPLDチップの不具合、出力端子部分のハンダ不良等もありますが、これらも対応可能です。
上記の様な電子部品関係はまだ代替品があるので問題無いのですが、ボタン類のプラスチックパーツ等はパーツ単体での入手がほぼ不可能な為、可能な限り補修で対応をしています。LOCATE部分のボタン折れ等が良く見られます。
MPCシリーズ全般に言える事ですが元々の設計がしっかりしている為、海外製品に比べ修理に時間を要するようなやっかいな壊れ方が少ない印象です。しっかり手入れをしてあげればまだまだ現役で使用できる機種ですので、お困りの事がありましたらコチラから是非お問合せ下さい。納期に関しましても上記内容であれば一週間前後でご返却可能です。
なお、内蔵ドライブに関しましてはフロッピードライブからMOドライブやCFドライブ等のSCSIデバイスに改造する事も可能です。こちらは内部基板に加工を施す形になります。OSのROMチップのアップグレードも可能です。
カスタムペイントと修理及びメンテナンスを同時に行った場合は工賃の面でもお得になりますので、是非ご検討下さい。